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御主人様と二匹の奴隷達の物語

レイが綴る牝奴隷ハルとレイの物語、、、、、。ほんの偶然が、私を、、、。

掌編縄雨捕り物控 捕り物其の十の壱

今日はちょっと寄り道。

「ねぇレイさん、槙次郎って本当に強いの?」
そりゃぁ強いわよ。なんてったって伊崎神道流の免許皆伝よ。
「でもまだ切り合いのシーンって登場してないよね。」
うん、辻斬りで、その寸前まで書いたけど、
槙次郎は刀を抜かないために剣術を修行したって設定なのよ。
「じゃぁさぁ。刀を抜かなけりゃいけなくなるような、
 そんなお話を書いてよ。
 無頼でスケベでサディストの槙次郎じゃなくてさ。」

そんなハルさんの勝手なリクエストに応えるべく、
いろいろ模索してはいたのだけれど、
真剣で渡り合うような物語では、SM譚じゃなくなっちゃう。

それでも、無理やり捻り出して、
今回の縄雨捕り物控ができた。


お暇でしたら、槙次郎の愛と苦悩もどきをお楽しみください。
三話完結です。


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綿毛の日 


五間掘りの柳が綿毛を飛ばし、夏が立った。

同心槙次郎、岡っ引き茂蔵、そのほか下っ引き七、八人が
陽も高いうちから居酒屋賢兵衛に繰り出している。
「茂蔵親分、今日は何事ですかな。」
「槙次郎の旦那が手柄をたてましてな。
 ほら例の恵比寿屋殺し三千両強奪の件です。
 奉行様、与力様にお褒めをいただいて、今日はその祝いで。」
「そんな大仰に申すな。
 拙者は下手人の作次に縄をかけただけの事。
 苔石の裏まで探るような地道な探索をした茂蔵達の手柄だ。」
「まぁまぁどちらにしても、それはめでたい事で。
 おい、お礼、お春、酒と肴をどんどん持って来い。」

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「親分、作次が捕まっちまって、
 あっしらに累が及ぶことはねぇですか。」
「作次は餓鬼の頃から俺が育てた男だ。
 拷問されても、俺達の事や、金の隠し場所は吐かねぇよ。
 恩を仇で返すようなことはしねぇ。
 たとえ死罪になってもな。」
「作次の弔いかたがた、あの同心に一泡吹かせてやりてぇが、
 相手が同心じゃぁ、なんとも。」
「同心の嫁をかっさらって、作次と同じ拷問にかけてやるか。」
「そいつはいい考えでっせ。辱めて、なぶり殺しにもいいし、
 女郎屋にして売り飛ばしてもいい。」
槙次郎達が居酒屋賢兵衛で盛り上がっている同じころ、
隅田川向こうの在家で、不穏な話がすすんでいた、、、、



「槙次郎殿、どうされました、酒がすすんでおりませんなぁ。」
賢兵衛が徳利を傾けながら槙次郎に話しかける。
「どうにもな、一件落着という気がせんのだ。」
「なにか得のいかない事でも。」
「見つかった金子は千両箱一つ。残りはどこだ。
 作次は、俺一人でやったと言ったっきり、後はだんまり。
 死罪になるぞと脅しても、何もしゃべらねぇ。
 どう見ても作次一人で盗みの策を練るのは無理と思うが。」
「ってぇ事は、裏で糸引く大悪党がいると。」
「なんとかそいつを引きずり出してぇんだがなぁ。」
「槙次郎殿、身辺にお気を付け下され。
 作次の死罪で、恨みを買う事になるやもしれませぬ。」
「それならそれで願ったりよ。
 俺に恨みを晴らそうとしたら返り討ちで大団円、
 そう願いたいもんだ。」



ほろ酔いの足取りで八丁堀役宅に帰った慎二郎、
「おい、お光、今帰ったぞ。」
いつもなら「お役目ご苦労様でした」と三つ指をつくお光。
灯りは点いているが、お光の気配がない。
背筋に悪寒が走り、賢兵衛の言葉を思い出す。
「身辺にお気をつけ下され」、、、、
身辺たぁ俺自身ではなくお光だったかぁ、、、



 ******** つづく ********

 

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掌編縄雨捕り物控 捕り物其の十の弐

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背負い篭 


「茂蔵、お光が失せた。不甲斐ない。」
「御新造様が、、、、どこへ。」
今の槙次郎、嫁じゃねぇ女中だと訂正する心のゆとりもない。
「かどわかし、おそらく作次の仲間に連れて行かれた。
 作次の出生を探れ。作次の糸を引く大悪党が後ろにいる。
 そして、、難事はお光の行方だ。
 この役宅に忍び入り、おなごといえども人ひとり、
 軒を連ねる同心のかみさん達に見つからず連れ去るのは、
 どう考えても難しい。どうやったと思う。」
「そうでげすねぇ、御武家様ならともかく、
 町民が見とがめられずにこの屋敷に入るとすれば、、、、
 裏木戸から来る御用聞きか、棒手振りの行商人、、、」
「おぉ、それやもしれん。
 棒手振りではなく、背負い篭でも担いでくれば、
 お光をその篭に入れて連れ去れるな。」
「そうでげすな。
 背負い篭の行商人は、あんまし見かけませんから、
 きっとどこかで見られているはず。
 その線で、手下に探らせやす。
 旦那、御新造様はきっとご無事でげす。必ず探し出しやす。」



茂蔵の探索は素早かった。
孤児の作次を育てたのは薬問屋遠野屋の主人吾介。
遠野屋は店構えは大きくはないが羽振りが良く、
きっと裏仕事があるに違いないと巷のもっぱらの噂らしい。
背負い篭の件でも耳よりな情報が寄せられた。
野良仕事の背負い篭の百姓は沢山見かけたが、
過日の夕刻、行商風の男が重そうな背負い篭で歩いていたと。
場所は東橋を越えたあたり、、、、、
奇しくも吾介の仕舞屋もその近辺らしい。


「旦那、繋がりやしやね。踏み込みますか。
 手下を集めやす。」
「いや、今は女中といえども元は兄嫁。
 あられもない姿を衆人に晒したくはねぇ。
 すまん、年寄りの茂蔵には荷が勝つかもしれんが、
 ここは俺とおめぇだけで幕を引きてぇんだ。」
「へい、旦那のお心、お察しいたしやす。
 それでようござんす。
 若けぇ下っ引きには目の毒でしょうし、
 あっしは最近、歳のせいか、
 見たもんも、すぐ忘れちまいやすから。」



 ******** つづく ********


 

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掌編縄雨捕り物控 捕り物其の十の参

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操 


「火急の事ゆえ、同心酒井槙次郎が与力殿に成り代わり、
 恵比寿屋殺し金品強奪を指図した罪、
 さらには婦女子かどわかしの罪により、お縄にいたす。」
吾介の仕舞屋の雨戸を打ち破り、口上を告げる。

素早く部屋を見渡し、敵は五人と確認。
俺一人で充分戦える、、
「茂蔵、お光を。」
全裸で柱に縛られたお光に駆け寄る茂蔵。
それを左目の端で捉えながら、五人の動きを右目で追う槙次郎。
四人の男が刀を抜く。身なりは町人風だが構えは元武士か。
その背後で吾介も匕首を抜いた。
「拙者は、お縄にいたす、と申したはず。
 刀を抜かれては致し方あるまいな。
 今宵の俺の刀は、妙に血を欲しがっておるのよ。」
全裸で震えるお光に羽織りを投げ与え、
伊崎神道流の居合が最初に捕えた男は、
褌の無い股間に一物が揺れている。
つい今しがたまでお光を犯していたに違いない。
返す刀で二人目、三人目、四人目と切り裂いていく。
そして何の躊躇いもなく吾介を袈裟懸けにした。
振り下ろした刀からの血糊が宙に舞う。
「茂蔵、ここの処理、与力殿への注進は任せた。
 俺はお光と須崎の隠居家に行く。」
羽織を肩にかけたお光を抱くように、
闇に消える槙次郎であった。



亡き父母が使っていた須崎の隠居家。
うなされながら眠るお光の傍らで、槙次郎も眠りについた。
明けの光に目覚めると、お光が三つ指で伏している。
「槙次郎様、短い間ではございましたが、お世話になりました。
 郷に帰らせていただきます。」
兄の葬儀の晩であったか、同じ台詞を聞いた気がする。
「なにゆえに郷に帰るのじゃ。」
「おなごなれど、元は武士の妻。
 操を守るためなら、舌を噛み切るべきでありましたが、
 それもできず、無頼の衆に痴態を晒し、
 鞭打たれ、犯されました、、、、
 このままでは、槙次郎様のお名前に傷がつきまするゆえ、、」
「誰に対する操だ。俺に申しておるのか。
 確かに名に傷がつくやもしれんな。
 だがそれは、おめぇの操ってやらではねぇ。
 おなご一人守れなかった俺の不甲斐なさに、って事よ。」
「いえ、あたくしの油断でありました。
 槙様はそのために、抜かずの刀を抜いてしまいました。」
「抜かねばならぬ時に抜いただけの事。 
 もう誰もおめぇの痴態を知っちゃぁいねぇ。
 茂蔵も見たが、まさか茂蔵を切るわけにもいかんだろ。
 おめぇこそ、しばらくは世間の蔑みがあるやもしれんが、
 人の噂も七十五日。
 ここでしばらく養生して、全部忘れろ。」
「ありがとうございます。槙次郎様。こんな汚れたおなごでも、
 これからもお仕えする事をお許しいただけるのですか。」
「さぁな、おめぇは汚れてなんぞいねぇ。
 そんな汚れを知ってる奴はどこにもおらん。」

「ごめんなさいよ。」娘が訪ねてきた。
「おぉ、これは。賢兵衛とこのお礼ではないか。」
「あい、茂蔵親分からこちらでおなごの手が必要だと。
 傷の薬と着物と髪結い道具、お持ちしました。」
「さすがに茂蔵、手落ちはないな。」
手早く湯を沸かし、お光の体をぬぐい薬を塗るお礼。
そういえば俺はお光の体もぬぐってもやらなかったな。
それにしてもこの娘、茂蔵からどこまで話を聞いたものか、
全裸のお光にも、その体中の鞭痕にも、縄痕にも、
何も臆することはない。
たいしたもんだ。おなごとはこういうものなのか、
まさか、縄痕鞭痕を見慣れているというわけでもなかろうが。



お光の養生をお礼に託し、奉行所に出仕する槙次郎。
「証もなく人を殺めて、お咎めがあるやもしれんが、
 あすこの床下から千両箱がきっと出てくるに違いねぇ。」




 ******** この物語 完 ********


 
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なんとか収拾させたいあとがき

「うん、第壱話で話の流れが見えちゃうけど、
 展開が巧みで、なかなか面白かったよ。
 お光の痴態も、槙次郎の剣さばきも、スルッとかわして、
 読者に想像させるってストーリーだね。
 普段は女中だ牝奴だと蔑んでいるようにしながら、
 本当は槙次郎はお光を愛していたんだね。」
過大評価だけど、そう読んでもらえたらうれしいよ。
「さぁ、賢兵衛も、お礼も、お春も登場したんだから、
 縄痕鞭痕を知るお礼、お春がこの後、
 どうやってマゾをさらけ出す事になるのか、
 ますます楽しみになってきたじゃない。」
おいおい、もう次の物語かよぉ。
やっと書き終えたばかりなのに。
「なに言ってるの。作家は締め切りに追われるものなのよ。
 書き終えた時には、次のストーリーが浮かんでなくちゃぁ。」
私、作家じゃないし、締め切りってのもないんだけど、、
「ん~ん、わざとらしさがなく、
 それなりの必然性で、お礼、お春と槙次郎をどうからませるか、
 それともお光と賢兵衛をからませてもいいかなぁ。
 いっそのこと、お光とお礼がレズに目覚めるってのは?」
まぁ、アホっぽいけど、どんどんアイディア出してくれぇ。
何かヒントが見つかるかもしれないからね。
「あぁそうだ、最近登場してないけど、
 人形屋のお輝とお勝はどうすんの?」
いやぁそう来たかぁ。
あれはあれでお終いってわけにはいかんのだろうなぁ。
登場人物が多すぎると収拾がつかなくなるぞぉ。
「いっそのこと、全員集めて牝奴隷オークションでもやる?」

一番収拾がつかないのは、私達のアホ話に違いない。


まぁ、そんなこんなで、
じゃぁ、又。          レイ

 

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掌編縄雨捕り物控 捕り物其の十一

今日はちょっと寄り道。

「ねぇレイさん、お光、その後どうなった?」
オミツ?
「槙次郎の元兄嫁、今は女中のお光よぉ。
 縛られ鞭打たれ手籠めにされちゃったでしょ。」
ハルさん、もしかして後日譚を書けって言ってるの?
「もちろんそうよ。
 でもさぁ、江戸時代の人って、
 こんな暑さをどうやってしのいでいたんだろうねぇ。」
まぁ江戸時代はアスファルト道路じゃなかったから、
照り返しは無いし、エアコンの放射熱もなかったし、
自然と共存して過ごしていたんじゃない?
風鈴とか朝顔とかに涼を求めたりしてさぁ。


そんなこんなでお光のその後をひねり出す羽目になりました。
お暇でしたら、槙次郎とお光の盛夏をお楽しみください。
一話完結です。


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盛夏 


「暑いな。」
「夏ですから。」
「そう決めつけんで、どっか涼しい所はねぇんかい。」
「信濃の国に冬の雪を貯めた氷室があると聞きました。」
「中山道か、どのくらいかかる。」
「さぁ、六十里ほどかと。」
「遠いな。板橋宿あたりには、氷室はねぇんかい。」
「冬に雪がたんまり降る所でないと。」
「夏は信濃で暮らし、冬は播磨あたりまで行って、
 春と秋だけ江戸で同心をやるってわけにはいかんもんかなぁ。」

「槙次郎様、暑さの一番の原因は、
 雨戸を閉めきっている事と、
 あたくしを縛り、交りをなさったからではないでしょうか。」
「お光を縛ったのは、縛らねぇと燃えねぇ躰になったからだし、
 その叫びと喘ぎ声が近所迷惑だから雨戸を閉めたのさ。」
「恥ずかしゅうございます。
 そんな言い方なさらないでください。」
「なんでぇ、縛られて嬌声上げて果てたのはオメェだろ。」
 たとえ汗だくになっても、
 おめぇとの変態交合はやめられそうにねぇな。」

「さぁさぁ、雨戸開けて風を通しましょう。」
「お光、夕涼みがてら、その辺の川端にでも行ってみるか。
 甘酒を馳走してやる。」
「あいや、嬉しゅうございます。では早速着替えませんと。」
「いんや、着替えずともそのままでよい。
 浴衣の下が亀甲縛りだなんぞ、粋じゃぁねぇか。
 考えただけで、ぞくぞくって躰が冷えてくらぁ。」
「川端といえば、、、、
 五間掘のお礼さんに、ご挨拶いたしとうございます。
 あんなにお世話になりながら、
 その後、謝意も申し上げておりませんから。」
「お礼かぁ、あれも不思議なおなごだったよなぁ。
 おめぇの縄痕鞭痕に眉一つ動かさなんだ。
 もしやすると、お礼もおめぇの同類かもしれんなぁ。」
「まさか、あんなかわいい顔をして、、、、、、」
「よし、こんど居酒屋賢兵衛に連れてってやる。
 その亀甲縛りの格好で行って、浴衣を脱ぎ捨てるんだ。
 お礼もそれに応えるように着物を脱ぎ捨てると、
 なんとおめぇと同じ亀甲縛り、だったらおもしれぇな。」
「嫌ですよぉ、他のお客さんもいらっしゃるんでしょ。」
「うんにゃ、しっかり雨戸を閉めて、客が来ないようにするんだ。」
「それも嫌ですようぉ、又、汗だくになっちゃいます。」
「そうだなぁ、、、
 よっしゃ、居酒屋賢兵衛に行くのは涼しくなった秋にしよう。」


 
******** 完 ********
 

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暑くて書きたくないけど、一応のあとがき

「暴漢に襲われて、お光のマゾがますます増大、ってことか。
 妙にしょげ返ったりしていなくてよかったよかった。
 まぁ、会話だけでの物語、なかなか面白かったよ。
 秋まで居酒屋には行かないって、うまく逃げたけど、
 さぁて、次こそお礼とお光の物語だね。
 言っておくけど、お春も絶対登場させてよね。」


はてさて、お礼とお光がM女比べをする日は来るのか、
そこにお春はどう絡んでくるのか、、、、、

一番の問題は、
そんな物語を私が思いつく事ができるのか、、で、あります。



じゃぁ、又。           レイ

 

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