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御主人様と二匹の奴隷達の物語

レイが綴る牝奴隷ハルとレイの物語、、、、、。ほんの偶然が、私を、、、。

繁茂

茶之輔が凄い事になっている。
びっくりするほどたくさんの小枝を伸ばし、
幹が見えないほどの葉を茂らせて、まさに繁茂だ。
のびのびと、、、まさに繁茂、、、
大きな植木鉢に植え替えて、、なんて思っていながら、
かつての植木鉢そのままだから、
幹は、太くはなってきたけれど、それほどではない。
にもかかわらず、枝はたくさん出てくるし、
葉っぱだって、たぶん大木に負けないほどの大きさだ。

盆栽みたいに格好を気にする訳ではないから、
自由に育って欲しいとは思うけれど、
剪定、なんてことをしないといけないのかなぁ。
樹木医先生って、知り合いいないしなぁ。どうしよう。

どこかの山に植えてやれば、もっとノビノビするのかなぁ。
やっぱり、紗江さんのお風呂場の脇に植えてもらおうか。

でもなぁ、花も見てみたいし、
ドングリが実るところも見てみたいしなぁ。

あれっ、そう言えば、
この樹は、銀杏みたいに雄株、雌株なんてないよねぇ?

まぁ、勝手に「ミズナラ」なんて思い込んでいるけれど、
まずは、それすら分かっていないってのが、本当のところだ。


いまさらだけれど、
茶之輔、お前は何者だ? 何をしたいんだ? どうなりたいんだ?
はっきり言ってくれぇ!!
 

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透ける

全裸で過ごすのも、
全裸に、薄いシャツを羽織るのも、
ブラウスから透ける下着を楽しんでいただくのも、
御主人様の前なら、それでもいい。

でも、これからの季節、オフィスでは、気を使う。
下着が透けて見えるなんて、御主人様に対する不貞行為だ。
他の男どもの目を楽しませる必要などサラサラない。
、、、だろ?

とは言え、サマージャケットを一日着っぱなし、
ボタンもきっちり締めて、、、ともいかず、
男どもの目を楽しませない程度に、チラ見せ防御だ。


こんな格好だったら、超超クールビズだろうけれど、、、、、
先日、いつもビシッとした服装の先輩が、
ちょっとラフなブラウスで出勤してきた。
シースルーとは言わないけれど、ブラがはっきり透けている。
スカートだっていつもよりずっと短い、、、

あぁ、彼女、御主人様のお宅から出勤してきたんだな。
昨晩は、全裸にあのブラウスで露出調教だったんだ。
いやいや、麻縄ブラと股縄だったかもしれないなぁ、、。
なんて、勝手に妄想した私。


翌日からも、ちょいラフスタイルだったから、
単に、彼女なりのクールビズだったのかもしれないけれど、。


 

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プラチナタイム

ゴン、、そんな音が聞こえて、振り向いた。


お年寄りが倒れている。
偶然、私達が、そこに遭遇してしまった。
オロオロしながら、お年寄りに駆け寄るご家族。

うめき声のお爺さんの意識が遠ざかるのが分かる、、

「レイ!、119番!!、、どなたか、どなたか、、AED!」
御主人様が大声をあげる。

「医療関係の方はおいでになりませんか!、、、
 、、、、、、
 、、、しゃぁねぇ、、、俺かぁ、、、
 、、58分、心肺甦生、、、始めます!!、、、、」

脈を確認していた御主人様が、顎を持ち上げ気道を確保、、
シャツの前を開き、両掌でご老人の胸を押し始める、、。

「そこの女!!!、声かけ!!」
ご家族に叫ぶ御主人様。

「しっかり呼びかけろ、しっかり呼び戻せ!
 意識が戻れば助かる、、、、、
 バカヤロウ、死ぬなよ、、、、」


遠くで救急車のピーポーパーポーが聞こえる、、、
こんな時のサイレン音は、やけにマヌケでもどかしい、、。

生と死の狭間を初めて見つめる私は、呆然としてなす術もない。


AEDを準備している時に、救急車が到着した。
こんな場所で、こんな時間にしては素早い到着だったようだ。


「心肺甦生はいつから?」
58分からです。
「ご家族の方、この方の持病は?」
AEDのパッチを貼りながら、救急隊員の質問が続く、、。



「レイ、ハル、帰るぞ、、、。」
全ての経緯はご家族が見知っている。
あえて、私達が付け加える事は何もないだろう。
もう私達の出番は終わったに違いない。






帰りの車に移動している私達を、救急車が追い越していく。

「バカヤロウ、、死ぬなよ、、、、。」

御主人様のつぶやきが、救急車の後を押す、、、。



 

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膀胱炎

「ねぇ、レイさん、今日、私、10回以上トイレに行ってるわ。
 どうしよう。頻尿は膀胱炎の初期症状、なんて言うでしょ。
 やだなぁ、、、、、、
 泌尿器科って、やっぱショーツは脱がされるんだろうねぇ。
 それで、お尻から指を突っ込んだりするんだよね。」

残尿感はあるの? 痛みは?
「そんなのないわ。毎回、スッキリよ。」

まぁ、心配なら、受診してみれば?
とりあえず最初は、内科、婦人科でもいいと思うよ。
でもさぁ、ハルさんの認識は偏見に満ち満ちてるわ。
泌尿器科の先生に申し訳ないわよ。
よほどの事がない限りショーツを脱がされる事はないだろうし、
お尻から、指を突っ込む、ってなによ。
昔は、男性の前立腺検査で腫れを確認したりしたらしいけど、
膀胱炎検査で、どうして指を入れる必要があるの?

ハルさん的、診療風景、、、、?
「そっかぁ、いきなりアナルに指、かと思ってた。
 御調教ならいいけど、検査はさぁ、、、
 お医者様とはいえ、他人様じゃない?」



私ぁ、医者じゃないし、
膀胱炎受診の経験はないから、確実な事は言えないけれど、
たぶんハルさんは膀胱炎なんかじゃないと思う。

テーブルに並んだビールの空き缶が、今晩の頻尿の原因、、、
、、密かにそう確信している私だ。






その後、泌尿器科に行った気配のないハルさん。
頻尿の原因に気づいたのか、単に、酒の話題だったのか、
それとも、やっぱり、アナル検査を恐れているのか、、、


  

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オリンピックの父

今年も、海の日がらみの連休を、紗江さんの料亭で過ごす。

古民家風の、あの囲炉裏の部屋で、
御主人様と紗江様がお茶を飲みながら、話をしている。

「去年ここで、『海の日』は『牝奴隷の日』に変更、なんて、
 そんな話をしたの、覚えてる?」
「そうだったなぁ、
 4年に一度は世界大会って事だったから、
 今年は、牝奴隷オリンピックの年って事か?」
「あぁ、それいいわねぇ。
 牝奴隷オリンピックの競技って何かしら。」
「近代牝奴隷オリンピックの父が言ってたぞ。
 より痛く、より辛く、より恥ずかしく、、ってな。」
「近代牝奴隷オリンピックの父って誰よ。」
「もちろん、、俺、。」


「ところで、我が家の代表選手達は、あれでいいの?」
「縄もきつく縛ったし、あの姿勢は苦しいし、大股開きだし、
 三原則クリアだと思うけどなぁ。だめか?」
「そうねぇ、でも、競技としての優劣ははっきりさせましょ。」

牝犬ションベン縛り、、、、?
私達は、後手縛りで転がされ、片脚を吊り上げられている。
御主人様曰く『牝犬ションベン緊縛』、、、。

「評価基準は、何にしましょうね。
 どちらが、長く我慢できるか、、、かしら、
 どちらが、遠くに飛ばせるか、、、かしら、
 それとも、、どちらの姿が華麗か、かしら?」

犬のおトイレシートを広げて、
私達の無様に違いない放尿姿を待ちながら、
紗江様がすまし顔で、そうおっしゃった。



さっき、喉が渇いて、お茶をたくさん飲んだ私は、
もう、限界が近い事を、感じている、、、、



             2012年7月14日 午後の事でした。
 

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逆手

なにげなく、御主人様がおっしゃった。
「お前達が一番辛いと思う緊縛はなんだ?」

はい、、、体が折りたたまれるような、、屈曲姿勢が辛いです。
御主人様のご観賞の為にも、長く耐えたいと思うのですけど。

「あぐら縛り、みたいにか?」
あぁ、確かに折りたたまれるって感じだよなぁ、、。

「ハルはどうだ?」
「私はぁ、、、恥ずかしい、屈辱的なぁ、、」
「あぁ、あぐら縛りから、仰向けに転がす、みたいにか?」


こんな会話が、単なる無駄話ではないことは、分かっていた。
一つ忘れていたとするならば、
御主人様は、牝奴隷が言ったとおりには、けっしてなさらない、
という事、、、、、。
私達の意見、感想を逆手にとる、という事、、、、。





足首と手首を背後で縛られて、、、
逆エビかぁ、、、これも辛いなぁ、なんて思っていたら、、、。

「まだまだ、体が折りたたまれてないな。
 ハルお望みの屈辱的羞恥もたりない、、。」
牝奴五輪マーク、、、?
梁を跨いだ縄が、私達の両手両足を持ち上げていく、、、
背骨が悲鳴を上げる、、、
つぶれた乳房の奥で、心臓と肺が酸素を求めている、、、

V字の脚の付け根で遊ぶ紗江様の指先が、
痛みと苦しみに、屈辱的羞恥を加えている、、、



「賢治さん、素敵な緊縛よ。なに縛り?」
「牝奴隷五輪縛り!
 これで、牝が五匹いたら、五輪マークだろ。」



より痛く、より辛く、より恥ずかしく、、、、
牝奴隷オリンピック三原則は、まだまだ続いている、、、




             2012年7月14日 夜の事でした。
 

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生干し

「これ、身が厚くて最高においしい干物なんだけどね。」
朝食に紗江さんが焼いてくださった鯵の干物。
苦労して調達なさったけれど、
料亭にはふさわしくないと、板長さんの反対にあったそうだ。

「あの居酒屋のメニューとしては、原価が高すぎるしねぇ。
 料亭で出すある程度見栄えのする干物ってないかしら?」

この鯵の干物は確かに最高においしい。
でも、鯵は大衆魚、ってイメージなのかしら、、。
あのう、、ちょっとだけ、生意気なご提案いいですか?
尾頭付きの干物だから、
旅館の朝食みたいに思っちゃうんじゃないでしょうか。
こんなに身が厚くておいしいんですのも、
崩れないように身をほぐして、何かの付け合せにするとか、
ワカメとかに混ぜて小鉢も面白いかなぁ、、、
「そうよね。私も、レイさんに賛成。
 板長に工夫させて、絶対、メニューに加える事にする。」


「俺も、試してみたい干物はあるぞ。」
「なになに? 後学のために教えてくださらない?」
「教えるも何も、実践してみるか?
 囲炉裏に炭をおこしてくれ。」
「まさか、とは思うけど、でも、やっぱり、なの?」
「もちろん、まさかで、やっぱり、だよ。」

紗江さんが、ニヤッと私達を振り向き、
嬉しそうに炭をおこし始める。
今の季節、囲炉裏は当然使われていない、、
御主人様が畳を上げて、隠してあった囲炉裏の準備をする。


私達は、干物の原料、、、?
後手縛りで囲炉裏を跨がされた私達が、干物の材料、、、
まるで種火のような小さな炭が、囲炉裏の真ん中で燃えている。
それでも、脚が股間が、じんわりと熱せられてくる。


「牝奴隷の干物。SM料亭だったら、最高の干物だろ。」
「牝奴隷オリンピックのホテルのメニューにいれたら?」
「あぁ、いいなぁ。
 当然そのホテルに泊まっているのは、主人なんだろ?」
「もちろんそうよ。牝奴隷の選手村は地下牢ですものね。」


「賢治さん、牝奴隷の干物作りって、難しいわねぇ。
 不思議なんだけど、いつまでたってもおマンコが湿ってるわ。」
紗江様が私達の股間で指を遊ばせながらそう言った。
「クリップで、左右に広げちゃいましょうか。
 それとも、焼けた炭を突っ込んじゃう?」
「そんな事したら、ますます濡れてくると思うぞ。
 牝奴隷干物は、生干し状態で出来上がりさ。
 試食してみるか? 紗江、お前どっちを喰う?」

「私は、とりあえず、食べ慣れたレイ干物がいいわ。
 レイ、うつ伏せでお尻突き出しなさい。
 ハル干物もちょっとつまみ食いさせていただける?
 賢治さん、新鮮な干物は背開きが最高なのよ。
 私達も、バックから試食しましょ。」


新鮮な干物は、背開き、、らしい、、。

オチン様で背後から串刺しハル干物、、
ペニバンで背開き串刺しレイ干物、、、、、、

御主人様、紗江様、生干し牝奴隷のお味はいかがですか?







             2012年7月15日 午前の事でした。
 

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れすりんぐ

「牝奴隷オリンピックに、屈強な牝は似合わないわよね。」
「そりゃそうだ、
 結果よりは、その過程が大切だからな。
 股縄100メートル走で、いきなり新記録ではつまらんだろ。
 股間の痛みと快感で、フラフラしてこその牝奴五輪だ。」
「賢治さんは、股縄競技が一押しみたいだけど、
 他に、なんか素敵な競技はないかしら。」
「陸上フィールド競技なら、走り高跳びだな。
 あの背面飛び姿勢が、本当の競技でもドキドキする。」
「あぁ、でも、股間側からの映像って少ないわよね。
 牝奴隷全裸背面飛びかぁ、カメラアングルが見えるようだわ。」
「あとなぁ、、射撃もいいな。
 森の中に牝奴隷たちを放して、狩りをするってのはどうだ。
 これなら、牝奴隷だけじゃなく、主人も参加できるだろ?」
「自転車はどう? 自転車のサドルがディルドゥなのよ。」
「だったら、トライアスロンにしよう。
 全裸水泳、ディルドォゥ自転車、股縄マラソン、。」
「それが究極かしらね。」
「いやぁ、究極って言ったら、やっぱりキングオブアスリート、
 牝奴隷10種競技だろ。
 痛、熱、苦、辛、恥、辱、汚、惨、怖、快、、なっ。
 たぶん体が壊れるだろうけど、まぁ、4年に一度だから。」


「ところで、我が家の代表選手達が、競技開始を待ってるわよ。
 ビールでも飲みながら、競技の過程を楽しみましょうか。」


どこが競技なのかは、分からない。
でも、過程を楽しむという意味では、牝奴隷競技らしい、、、
という事なのだろう。

「勝ったほうに、このペニバン貸してあげるわ。がんばって。」
がんばってといわれても、勝ち負けの基準も分からない。
たぶん、御主人様と紗江様の気分しだい、、なのかなぁ。

女子れずリング、、、と言うらしい、、、

私達の競技は、『女子れずリング』なのだそうだ、、、、

競技というよりは、お酒の肴、なのかも知れないけれど、、、






             2012年7月15日 夕方の事でした。
 

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林檎

「牝奴隷オリンピック、楽しかったわ。
 今度は、反省会、ね♪ 
 お盆休みに又、お越しやす。」


牝奴隷オリンピックの結果ですか?
もちろん、私達が、金銀独占でした。
まぁ、参加したのが二匹だけでしたから、、、、、



紗江さん宅からの帰りの車の中、ハルさんが切り出した。
「反省会って、何の反省会? 何やるんだろ、、」
「そりゃもちろん、牝奴隷オリンピックの反省会さ。
 本当のロンドンオリンピックで、
 きっといろんなエピソードが生まれるだろ。
 それをな、SМ的解釈で、お前たちを責めるのさ。」
「SМ的解釈?」
「たとえばさ、新体操のこん棒なんかはさ、
 SМ的解釈から言えば、ディルドゥだろ?
 もちろん、投げ上げておマンコキャッチが最高得点さ。
 当然失敗すれば、鞭打ちの刑だよな。」
「あぁ、なるほどぉ、そうですねぇ、、
 面白ビデオでよくある人間大砲、なんてのはどうです?」
「人間大砲?」
「レイさんをネ、人間大砲に詰め込んで発射するんです。
 それを、御主人様が射撃するってのはいかがです?」
「おぁ、それいいなぁ、牝奴隷クレイ射撃かぁ。」
「ねぇ、レイさん、聞いてる?
 お盆の反省会はさぁ、
 レイさんのこん棒キャッチか、クレイ射撃に決まったわよ。」

運転に集中して聞こえないフリはしているけれど、
聞こえない訳がなかろう、、、、。
それにどうして私だけなんだぁ?
何か言い返さないと、、勝手に話が決まってしまいそうだ。

私がライフルのマトなら、
ハルさんは、アーチェリーのマトなんてのはいかがです?
頭にリンゴを載せて、恐怖でオシッコちびるのを楽しむんです。

「おぉ、それもいいなぁ、
 どうせなら、股間にリンゴ、ってのはどうだ。
 俺も知らない時代だけど、、、そんなの見たことあるぞ。
 ハル、ちょっと検索して見ろよ。」

ハルさんのスマホがウンウン言いながら必死に検索する、、、
「わぁー、すげぇ昔だ。40年前ですよ。
 麻田美奈さん、林檎ヌード、ですって。」
麻田美奈さんの、林檎ヌード、、、
「そうそう、それそれ、、。
 じゃぁ、ハルは林檎ヌードで、アーチェリーのマトになれ。
 レイは人間大砲で、クレイ射撃のマトな。」

人間大砲と、林檎ヌードだったら、
私、、林檎ヌードがいいなぁ、、、、、
アホの人間大砲より林檎ヌードの方が可憐な感じだよね、、。


「お盆まで、あと一ヶ月弱かぁ。
 がんばって、射撃とアーチェリー練習しないとなぁ、、、。」

おいおい、御主人様ぁ、どこまで本気なんだぁ?

前言撤回します。
人間大砲も、林檎ヌードも、どっちもお断りじゃぁ、、、。



             2012年7月16日の事でした。

 

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生と死

過日プラチナタイムを綴った。
心が千路に乱れ、あれを書くだけで精一杯だった。
ひたすら冷静を装って、客観的に綴ったつもりだ。
生と死の狭間に立ったのは初めてだったから、
怖くて怖くて、、、震えていた。
御主人様の指示がなければ、何もできなかっただろう。
アホブログ、卑猥ブログを綴りながら、
あの後刻譚をもう一言書いておかなければ、と思い続けてきた。




御主人様は、いつ心肺甦生を習ったのですか?

「大学当時、岩登り中に滑落した奴がいてな、
 先輩が、必死に心肺甦生しているのを、
 俺は、呆然と見ているだけだったよ。
 だから、その後、救急法の講習会に参加したりした。
 社会人になってからも、ときどき顔を出してる。」

その、山のお友達はどうなったんですか?

「あの当時は携帯電話はないからな、なかなか連絡が取れず、
 無線でヘリ要請したが、、、だめだった。」

そうですかぁ、、、、

「まぁ、不思議なもので、救急法講習を受けたあとには、
 幸いにも、俺がそれを使う機会はなかった。
 実は、あの爺さんが実地の心肺甦生初体験だったよ。
 平気な顔をしてたけど、ドキドキものだったんだぜ。」

でも、御主人様、凛々しかったですよ。

「医者じゃないから、診断はできないし、
 動かしちゃだめな時もあるだろうし、、、
 でもなぁ、心臓が止まったら、やがては脳も死ぬからなぁ。
 あの時は、あれしか思いつかなかったんだ。」

あのお爺さん、どうなったかしら、、、。

「まぁ、気にするな、、、、。
 あそこから先は、医者の努力と本人の生きる意欲だけだ。
 少なくとも、我々は、最善を尽くした、、はずだ、、、。
 たとえな、、、、たとえ死が訪れるとしても、
 ご家族には、それを納得できる時間ができたと思っている。
 心電図の波形がどんどん小さくなって、
 やがて、直線になる瞬間を知ってるか?
 テレビの映像なんかじゃないぞ。自分が現実にそこに居る。
 でもな、それを見ることができた家族は幸せだ、、、、。
 幸せ、、は、極端な言い方かもしれんが、
 それなりに、納得する時間が持てた、ということだ、、。」

まるで死を肯定しているかのような、
人間、死ぬ為に生きている、とでも言うような、
そんな死生観には不満はあるけれど、
残された遺族の納得、、、、
それが、死を否定する御主人様なりの言葉なのか、、

御主人様は、その年齢にしては、
私が知る限りでも、たくさんの死と向き合ってきた。
、、ご両親の突然の事故死、
、、Jさんの自死、
、、遺体の戻らない氷壁での紗江さんのご主人の死。

たとえ歪んでいようが、
御主人様の死生観はそこから始まっているに違いない。
たくさんの納得できない死の中から、
納得できる生を、ひたすら求めているのだろうか、、、


「心肺甦生も知らない婆さんがな、
 心停止におちいったご主人の胸をひたすら押し続けて、
 胸骨の骨折はあったけれど、心臓が動き出した、
 そんな話も聞いたことがあるぞ。
 大切な事は、知ったかぶりしない。
 医療関係者がいたら、脇役に回れ、
 でも、お前しかいなかったら、躊躇するな。
 患者の為ではあるけれど、自分の納得の為でもある。
 何もしなかった後悔より、
 自分の力が至らなかった後悔のほうが、それなりに納得できる。」




御主人様の死生観は『死』から始まった。
でも、、、いや、だからこそ、
今の御主人様を支えているのは、
何もできなかった『死』への後悔と、限りない『生』への渇望、、
、、そんな気がする、、。

Jさんのお墓で、、、紗江さんのご主人のお墓で、
いつもいつも御主人様は、死者と長い時間、話をしている。
そして、頭を上げた時のその顔は、なぜか清々しい、、。

御主人様が、子供たちへのボランティアを始めたのも、
彼等に、限りない未来と、
素晴らしい『生』の息吹を感じているからなのだろうか、、、、。






「バカヤロウ、、、死ぬなよ、、、」

走り去る救急車に投げかけたあのつぶやきが忘れられない。



 

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禅問答

「そもさん」

「せっぱ」

「しからば問う。牝奴隷とは何ぞ。」

「滅私奉公なり。」

「滅私たるは、陰に『私』ありや?
 従順の陰に『邪心』ありや?」

「『私』を滅するにあらず。
 滅した『私』をもって、滅私となせばなり。即ち無我なり。」

「しからば問う。無我とは何ぞ。」

「何も欲せず。全てを与う。これ無我なり。」

「しからば問う。我、無きに、何を与う。」

「我は物なり。身も心も全て、主にあり。」




過日、福くんの実写版「一休さん」をチラ見した御主人様。
なぜか「そもさん」がお気に入りになってしまったらしい。
しばし、私達の間で、禅問答が流行った。



御意、、、、、
「禅問答は、言葉の遊びにしかず。」

「御意。」

「体現をもって、これとなすなり。」

「御意。」




麻縄が乳房を廻りだす、、、、、、

、、、これが体現、、という事、らしい。


 

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ロンドンオリンピック

7月29日、史上最高の円高を利用して、ロンドンにやってきた。
ただひたすら、彼女を応援する為だけに、、、

日本地図的ロンドン五輪マーク、、、
ロンドン五輪のシンボルマークは、なんとも不思議だ。
北海道、本州、四国、九州、そして、サイズ無視の佐渡島、、
今のロンドンは、そのピンクの日本地図だらけだ。

ストラットフォード駅から、
ナメクジ型のアクアティクスセンターを目指す。
もちろん、水泳競技会場だ。
ほとんどの日本の皆様にとっては、
水泳、即、北島浩介選手の3連覇、なのかも知れないけれど、
私にとっての今回のオリンピックの注目は、寺川綾選手、だ。
なんと言っても憧れの先輩だから。
高校、大学の先輩、じゃぁなくて、水泳界の、先輩だ。
私が水泳を始めた頃から、
当然ながら、いつもズーッと先を泳いでいた。
前回の北京オリンピックは選考に漏れて残念だったけれど、
今回、日本新記録で復活してくれて、密かに拍手を贈っていた。


女子背泳ぎ100mが始まった、、、。
プール独特の湿度が、興奮が、私を包み込む。

スタートの電子音と共に、綾選手の縮められた体が反りかえり、
8年間の全ての想いと共に、彼女は人魚になる。
オリンピック後の事は知らない。それは彼女が自分で決める事だ。
今は、ひたすらに、素敵な人魚でいてくれ、、

バサロから水面に浮き上がって、
彼女特有の大きなストロークが、自身を前に前に進めている。
水泳競技者としての集大成、とでも言うように、、、。

行け、行け、行け、、
負けるな、負けるな、諦めるな、、、
握り締めた拳の指が掌に突き刺さる、、、
拳は、ガッツポーズで高く掲げられる瞬間を待っている、、






帰りの飛行機の時間が迫っている。
勝負の余韻にひたる間もなく、慌てて空港に向かう。
帰りの飛行機は、ちょっと辛いなぁ、、
なにせ、立ち席特急券しか買えなかったから、、、、


妄想スイッチと一緒に、テレビのスイッチを切った。

 

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ライフル

「やっぱり、コッキングライフルだよな。」
インターネットを開きながら、御主人様がおっしゃった。

「コッキング、、、、ライフル?」
「電動で乱射したら、勝負にならんだろうからなぁ。」
「勝負?」
「あぁ、サバイバルゲームをしたいわけじゃない。
 俺がしたいのは、狩り、だから。」
あのぅ、、コッキング、、電動、、ライフルってなんですか?
それに、、、狩り、って?

「なんだよ、紗江の料亭からの帰り、話したじゃないか。
 盆休みには、射撃をやるってさ。」

あぁ、確かに、私が人間大砲で、ハルさんが林檎ヌード、、
でも、狩り、なんて話はしましたっけ?

パソコン画面には、サバイバルゲーム用ガンショップ、、、
「ほら、ここをガチャって引いて、バネを縮めるのさ。
 後は引き金を引けば圧縮された空気でBB弾が発射される。
 電動っていうのは、それをモーターでやるから、
 速射、乱射が可能なわけさ。」

いや、私が聞きたいのはそんな理論じゃなくて、、、、
狩り、って、、、、
「そんな事か。牝奴隷狩りに決まってるだろ。」
あぁ、やっぱり、、、でも、いつ決まったんだぁ、、、。

「でもさぁ、けっこういい値段するんだよな。
 コッキングライフルでも15000円かぁ、2丁で3万。」
2丁?、、、紗江さんの銃って事?

「御主人様、私達には、ないんですか?」
「おぉ、お前達にも買ってやる。、、ゴーグルをな。」
ゴーグル?
「BB弾といえども危険だからな。フルフェイスにするか?」

あのぉ、私達には反撃手段がないんですか?
「バーカ、狩りだぞ。
 たとえば鹿狩りに行って、鹿が銃を持ってるか?」

でも、紗江さんの料亭周りで、やるんですよね。
あっという間に勝負ついちゃいますよ、、、
「いや、俺達は酒を呑んでて、お前たちの逃亡に気づかず、
 翌朝から、狩りを始める、って設定はどうだ?」
オイオイ、私達は一晩、外で過ごすのかぁ?

「御主人様ぁ、
 たったそれだけのために、数万の出費は無駄遣いですよぉ。」
「いや、違うと思うな。
 これこそ男のロマン、サディストの理想だよ。」

はいはい、はいはい、、、
牝奴隷狩りが、男のロマン、サディストの理想、であるならば、
狩られる方も、女のロマン、マゾヒストの甲斐性、だろうけど、
、、、、

すぐさま、お酒をお持ちして、
コッキングライフルの注文は見合わせていただいた、、
少なくとも、その場では、、、という事だ、、、、。


でもぉ、最大の問題は、もっと根本的なところにあるのだろう、
狩りが本当に始まったら、一番夢中になってしまうのは、、、
、、たぶん私だ、、、、。

牝奴隷狩りで、、捕まったら、、、

林の中を必死で逃げる私が見える、、、、
狩られたら、どうなっちゃうんだろう、、、
やっぱりケモノのように、、、、




             2012年7月28日の事でした。
 

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