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御主人様と二匹の奴隷達の物語

レイが綴る牝奴隷ハルとレイの物語、、、、、。ほんの偶然が、私を、、、。

掌編縄雨捕り物控 捕り物其の七


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抜かずの刀 槙次郎


「槙様、あたくし、心配でたまりませぬ。
 その後、刺客に襲われるようなことは、、、」
「ないな、
 ないが、奇妙な噂が飛び交っているようだ。」
「どのような、、」
「名のある流派の剣術士に手傷を負わせたと、
 自分の剣の腕を誇り、仕官の道を得ようとする輩がおると。」
「あの辻斬りも、仕官を望んだ狼藉だったと、、」
「そんな処かもしれんな。」
「たとえ、槙様に手傷を負わせたとしても、
 仕官なんぞできますか。」
「今の世の中、浪人の肩身は狭い。
 手だれの武士とて、田舎大名のお相手がせいぜい。
 剣で生きようと思えば、町の剣術道場か、、、」
「剣では、まともには生きていけませぬか。」
「権現様の時代ならともかく、今、戦乱があると思うか。
 武芸よりは、算術、学問が仕官の早道であろうが。」

「それでは、槙様はなにゆえに剣を鍛えておいでですか。」
「お役目がら、刀が必要な事もあるかもしれんが、
 俺は刀を抜かぬために、剣術をしておる。
 剣を極めれば、敵の息づかいを知り、間合いを見切り、
 素手でも戦えると信じておる。」

「刀を抜くことはありませぬか。」
「いんや、抜くこともあるかもしれん。」
「同心として、、」
「違うな、
 お光を縛った縄が首に掛かり、死にそうになった時に、
 その縄を素早く切り落とし助けるためじゃ。」
「あまりにそれでは、名刀が泣きまする。」
「いんや、俺の刀は血が嫌いなのじゃ。
 敵の血より、おなごの股ぐらの汁を欲しているのよ。」



 ******** つづく ********

 

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