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御主人様と二匹の奴隷達の物語

レイが綴る牝奴隷ハルとレイの物語、、、、、。ほんの偶然が、私を、、、。

掌編江戸人形屋秘譚 其の参

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短冊 お京


ほんの近くにありながらも隅田堤の花見にも行けず、
井戸端の桜を見るだけで、弥生卯月は端午人形作りに追われた。

今日の仕事にかかろうとする時、お針子の間で囁きが広まった。
「お京さんがいない、、、、、」
囁きはそう言っている、、、、、
手代がお京と同部屋の娘を手招きする。
「床に入る時までは隣にいましたけんど、、、、」
いつ出かけたかは知らない、、と声を震わせる。

いかにも無宿風体の男達と丁稚が表道を駆け出していくが、
じきにお京を連れて戻ってきた。
弥勒寺の境内に身をひそめていたとか、、、
土間に額をこすりつけるようにして、平謝りのお京。
手代は、何も言わず裁縫箱を指さした。
お京を叱るより、まずは急ぎ仕事が先と言っている、、、、
息をつめて見守るお針子達も安堵のため息をもらした。


根を詰める針仕事は肩が凝る。
お輝とお勝は互いに肩を揉みあって、もう床に入ろうとする頃、
「お咎めぇ、お咎めぇ、、、、」
手代の声が裏長屋に響き渡る。
湯文字姿の女達の前に、
まるで捕えられた狸のようなお京が、桜の樹に吊られている。
「暇を願い出ることなく、足抜けを謀った罪は重く、
 鞭打ち百の刑に処す。
 又、同じ長屋に住みながら、
 その足抜けを見落とした者にも咎あるをもって、
 鞭打ち役は、針子、下女中とする。」
お咎めかぁ、、、、同じ樹に吊るされたとしても
お披露目とはその場の雰囲気がまるで違う、、
ましてや、鞭打ちまでさせられるとは、、、、
「餅も小遣いも休みもないしね、、、」
隣でお勝が、もっそりとつぶやいた。
短冊 お京、、、
一番前にいた下女中に篠竹の鞭が渡される。
「針子と下女中、日頃の身分の差に不満もあろう。
 尻でも背でも、乳でも汚門戸でも、
 気がすむまで、お京を鞭打っていいぞ。」
当然の如く下女中達の鞭は厳しく、早くも袈裟掛けに血が滴る。
「ひとぉつ、ふたぁつ、、、、、」
鞭の数を数えさせられていたお京の声は、叫びに変わり、
呻きに変わり、やがて声も出なくなって、数も知れなくなった。
同部屋のお針子娘に鞭が手渡される。
躊躇う娘の乳房を、手代の鞭が急かす、、
血の滴る傷口をさらに鞭打たれればさらに痛いに違いない。
お輝は、傷のない個所を選んで、鞭を三回振るった、、

血にまみれ赤く腫れたお京の尻が夜風に揺れる、、、
故郷に帰りたい、そんな願い事が書かれた短冊のようであった。



「お京さん、ちゃんとお暇願いすればよかったのにねぇ。」
夜具にくるまりながら、傍らのお勝に話しかけるお輝。
「そんなお暇願いが許されると思う?
 隅田川に浮かばなかっただけでも、お京さんよかったわ。
 あたし達、この人形屋の裏仕事、知ってしまってるのよ。
 あたし達がここから出ようと思ったら、
 自分で首をくくるか、労咳で追い出されるか、
 生き人形になって売られていくかしかないのよ。」
「お鈴さん、どうしてるかなぁ、、、、、」
「あんがい幸せになってるかも知れないわ。
 生き人形にされ、縛られ吊るされた女達は、
 叫びながらもその辛苦を悦んでるようにも見えたもの。
 そんな被虐の性を引き出すのが人形職人の技なのかなぁ。」


縄で縛られるって、樹に吊るされるってどんな気分なんだろう。
ふとそんな事を考えてしまって、
慌てて首を振り、それを否定したお輝であった。



 ******** 未完、、、 ********



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進歩のない言い訳的あとがき

例によって例の如く、時代考証も何もない。
江戸、と書いただけで、年号を推察する文章もない。
風物や季節の行事によって、
江戸の初期、中期、後期と分かるのかもしれないけれど、
例によって例の如く、
何も考えずに、盛り合わせ定食状態なのはお許し願いたい。


人形屋さんは季節を先取りする商売なのだろう。
そんな人形屋を舞台にして、
季節の移ろいを織り交ぜたSM掌編を書きたかったのだけれど、
力量不足と勉強不足が重なって、それらしく、で終わった感じ。

『生き人形』は稲川淳二さんの怪談話ではない。
『生人形』、『活人形』、、生きているようなリアルな人形。
そんな人形が昔からあったそうだ。
それを逆に解釈して、人形職人が調教してM女を作る、、
という設定にしてみた。

吊るし雛という単語にも、モゾモゾした気分を持っていた。
元々は、高価な雛人形を買えない庶民が、
端切れで作った小さな人形等を糸に吊るして飾った物らしい。
けれどSM的解釈では、そうじゃぁないだろ、、って。

物語は『未完』という形で、終了させた。
やがてはお輝が生き人形に、、そんな流れが見え見えで、
なんかお約束じみていて、ひねりが足りないなぁ、、
というのが、未完で終わらせた本音だ。


端午の節句が過ぎて、梅雨、そして夏、、
お輝は隅田川の花火を見に行けるのだろうか。
暑い夏をどうやって過ごしていくのだろうか。
豪商の旦那衆が借り切った屋形船でのSM祭もいいよなぁ、、
アホみたいな妄想は広がるけれど、
まだ、お輝のその後は、見えてこない。
やがて、いずれ、そのうちに、又、お輝に会いたいと思っている。


じゃぁ、又。          レイ
 

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コメント


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お輝さんに会えたら、またおしえてくださいね(^-^)
お待ちしています!

雪絵 | URL | 2015年09月06日(Sun)09:55 [EDIT]

六間掘りときましたかぁ

読みだした途端に、お礼、お春とのからみを期待したのですが、
私の早合点でした。
あとがきに書いてあるとおり、
お約束的展開ではない一ひねりで、其の四、お待ちいたしております。
 

あつこ | URL | 2015年09月06日(Sun)13:08 [EDIT]

雪絵さん、ありがとうございます

お輝に会おうと思えばすぐにでもあえるのですが、
自分で自縛的に『一ひねり』を課してしまったので、
なんとしたものかと、悩んでいるのが今の私であります。
ご期待の添える『ひねり』かどうかは別として、
いつか『其の四』は綴りたいと思っております。

ありがとうございました。
じゃぁ、又。      レイ
 

Ray | URL | 2015年09月06日(Sun)19:04 [EDIT]

あつこさん、ありがとうございます

鋭い!!!
そんな『からみ』も視野に入れての六間掘りではありますが、
いかんせん、わざとらしさは嫌なので、
どんな『からみ』がいいかなぁ、なんぞと考えております。
メインの登場人物ではないので、さりげなく、、かしら?
あまりの期待をかけずに『其の四』、お待ちください。

ありがとうございました。
じゃぁ、又。       レイ
 

Ray | URL | 2015年09月06日(Sun)19:10 [EDIT]

江戸古地図

コメント横入りでごめんなさい。
江戸古地図で、五間掘り、六間掘り、調べました。
うん、レイさんハルさん分身の、お礼お春の登場、待ってます。
お輝、お勝、お礼、お春、四匹の連縛、、ってアイディアはいかが?
 

zaimu | URL | 2015年09月06日(Sun)19:16 [EDIT]

zaimuさん、ありがとうございます

いきなりの乱入ですかぁ?
江戸古地図までご覧いただいて、感謝感謝ですが、、、
ん~ん、、ストーリー的には面白いけど、、、
そこに至る展開はどうすればいいんじゃぁ?
いきなり四匹を桜の木にぶら下げて、、、、、
『未完、、』で、次を考えるって秘密兵器もあるけど、、、、
まぁ、私なりの『其の四』をお楽しみに、、、

ありがとうございました。
じゃぁ、又。        レイ
 

Ray | URL | 2015年09月06日(Sun)19:26 [EDIT]