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御主人様と二匹の奴隷達の物語

レイが綴る牝奴隷ハルとレイの物語、、、、、。ほんの偶然が、私を、、、。

掌編人形屋秘譚 其の四

ちょっと寄り道です。

『未完』のままで放り出してしまった人形屋秘譚、、
その後、気にはかけながらも、物語の展開が思いつかず、
あぁでもない、こぅでもないと、もがき続けていた。

やっぱり、お勝とお輝も吊るされて、さらし者、かなぁ、、
なんぞと思いながら、とりあえず筆を進めてみたら、
彼女たちが勝手に動き出してくれたので、
それに任せて、物語を展開させてみた。

ご不満もおありでしょうが、御一読を。
其の四から其の七、、全四話です。

お代は読んでのお帰り、、
御用とお急ぎのない方は、遊んで行ってください。


**************************

女軽業師 お峰 


細かな指示のある事もあるが、
ほとんどの場合、人形職人の心像に沿うように、
それを探りながら、人形の着物の柄や形を決めていく、、
それも、お針子の仕事だ。
職人から出来栄えを褒められると、お輝は喜び、
やがてはそれが針子仕事の張り合いとなっていったが、
いつもいつも、同じ人形職人と仕事をするわけではない。
お輝とお勝はここ二月ほど、定吉に付いていた。
付く職人が変わるたびに、お輝は身を小さくする。
だれが『生き人形』職人なのか分からないからだ。

今の季節、一時ほどの慌ただしさはない。
職人定吉の気分しだいで、
夕の七つ下がりには、その日の仕事が終わることもある。
そんな時は、夕涼みがてら隅田のほとりを歩いたり、
屋台を覗いて冷や蕎麦を食べたりしていた。

お勝と連れ立って、評判の見世物を見た時の事、、、、、
上方女軽業師の曲芸に驚きながらはしゃぐお輝を尻目に、
「あれ、上方女軽業師じゃないわ。も一度見てみよ。」
と、お勝はつぶやき、見世物小屋の木戸口に向かう。
「残念だったなぁ、この刻からは夜の出し物なんよ。
 女人禁制、、明日又来ておくれ。」
お勝を追い払うように、木戸番がそう言った、、、、、
「ねぇ、お勝さん、何があったの? 何を見たの?」
「あぁ、転がる酒樽の上で曲芸をしていた女、、、
 昔の知り合いのような気がしてね、、
 少し探ってみるから、お輝さん先に帰ってて。
 手代さんになんか聴かれても、とぼけていてね。」

もう床に入ろうかという頃、
手代が、いきなり腰高障子を開けて、、
「おい、お輝、お前、お勝の行き先を知っていただろ。」
「いえ、詳しくは、、、、」
「嘘を申すな。お勝と示し合わせて、とぼけておったんだな。」
有無を言わさずお輝を井戸端に引き立てる。
そこにはお勝が後手に縛られて、桜の樹に吊るされていた。
「あぁ、お輝さん。あたし、しくじっちまったよ。」
「こら、勝手にしゃべるな。
 お勝の盗みを知っていて止めなかったお輝も同罪だ。」
お輝に縄がまわり、お勝の隣に吊るされる、、、、

「お咎めぇ、お咎めぇ、、、、」
手代の声が裏長屋に響き渡る。
湯文字姿の女達が集まり、お勝とお輝を見つめている。
まさか自分が見られる立場になるとは思っていなかったお輝は、
爪先立ちでふらつきながら、腕の痺れに顔をしかめる、、
「お勝は見世物小屋に盗みに入ろうとし、捕えられた。
 本来ならば、番所に引っ立てられるところ、
 小屋主様の温情により、こちらに引き渡していただいた。
 又、お輝はお勝と謀り、その留守を申し出なんだ事、
 これも同じ罪にあたる、、」

「お輝さん、ごめんよ。
 でもさ、あの見世物小屋、
 番所に突き出すことができない訳があったのさ、、、」
お勝も揺れる縄にふらつきながら、お輝に囁く、、。
お咎めぇ、、、、、
「よって、両名、鞭打ち五十とする。
 鞭打ちは、ここにおいでの小屋主様にお願いする。
 お勝、お輝、流した血をもって、小屋主様に謝罪せい。」
着物の裾を後手の縄に差し込まれ、夏の夜風が肌を撫でる、、
お勝とお輝は、その尻を、湯文字姿の女達にはもちろん、
鞭を構える小屋主にも晒している、、、、、、

小屋主の竹鞭は容赦なく闇と尻を切り裂く、、
その痛みに耐えながら、お勝はお輝に囁き続ける、、、
「あの女は、やっぱり、お峰さんだったよ、、、ぐぁぁ、、」
お輝も、よろけながらも耳はお勝に向けている、、、
「昔のお針子仲間でさ、上女中になって生き人形で売られて、」
お勝とお輝に代わる代わるに鞭が飛び、
その呻きと叫びの中でも、お勝は囁きをやめようとはしない、、、
「旦那に飽きられて、売られ売られて、最後は見世物女だ、、
 木戸番が言ってた夜の出し物は、、、ぐあぁぁぁ、、、」
滴る血を尻に感じながらも、、、、、、
「女達の曲芸が終わるたびに、手を上げる客、、、、、」
尻の痛みに耐えられず脚を縮めると、腕が軋む、、、、
「あそこはさ、お上の知らない秘密の岡場所だったのさ。」
「じゃぁ、お峰さんも、、、、」
「あぁ、買われたよ、、一晩の夜伽、、、、ぎゃぁぁぁ、、、」

息を切らして小屋主が、鞭を放り投げた。
「小屋主様、お咎めご苦労様でした。
 さぁさぁ、母屋で一献、、」
鞭打ちは終わりらしい、、、




縄を解かれたお勝とお輝だけが井戸端に横たわり、
尻の痛みを夏の夜風にさらし、荒い息を続けている、、、、、

「たとえ生き人形でも、れっきとした女でぇ、
 飽きたとしても最後まで面倒見るのが道理だろうがぁ、、」

お勝の必死の叫びを聞く者は、お輝だけであった、、、



 ******** つづく ********  
 

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コメント


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待ってました

江戸物、人形屋秘譚、再開ですね。
ワクワクしてます。
 

kaibo | URL | 2015年12月02日(Wed)21:22 [EDIT]

kaiboさん、ありがとうございます

はてさて、kaiboさんのお好みに叶う展開になりますかどうか、、
明日以降をお楽しみいただければ、幸いなんですけど、、

ありがとうございました。
じゃぁ、又。       レイ
 

Ray | URL | 2015年12月02日(Wed)22:15 [EDIT]