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御主人様と二匹の奴隷達の物語

レイが綴る牝奴隷ハルとレイの物語、、、、、。ほんの偶然が、私を、、、。

デジタルタトゥー 

「どうなされたんですか?」
ハルさんが、今にもそう言いそうだったので、
唇に人差し指を当ててから、親指小指で電話のポーズをする。
ハルさんは何も言わずにうなずき、離れた所で電話をする。
親指人差し指がOKサインを送ってきた。
御主人様を助手席に乗せ、和子さんのお店に向かう。
普段、強さ厳しさしか見せない御主人様が泣いた。
いや、牝達の前で肩を震わせ嗚咽した、
今は私達の立ち入れない世界で、
Jさんと話をしているに違いない。

いつものようにカツオを一本買って、和子さんのお店に行く。
もちろん母親のように大歓迎してくれたけれど、
ボーっとしている御主人様には、何も言わなかった。
「最近さぁ、カツオのタタキを注文するお客さんばかりよ。
 ほら、寄生虫のアニ、、、ナントカでさ。」
あぁ、アニサキスですね。
「そうそれよ、火を通せば安心だってね。」
まぁ、炙るだけでもそれなりの効果があるのかしら。

カツオ料理がカウンターに並ぶと、
和子さんが、ビールジョッキを御主人様の前にドンと置いた。
泡がはねて、御主人様が驚いたように顔を上げる。
「ほらほら、元気出しなさい。
 Jさんはもう思い出の人。
 あなたには今、レイさんとハルさんがいるのよ。」

「おぉ、ハル、レイ、すまなかったな。
 実は先日、海外の画像投稿サイトで知り合いを見かけてな。
 かつて仕事で世話になった女史だと思う。
 もちろん鼻から下しか写ってなかったから、
 顔は分からんが、あの顎の形に見覚えがあったし、
 なにより、左手首の独特な腕時計が同じだった。
 駅前の木立の陰で、コートを広げて全裸を晒していた。
 写真を撮影したのは当然男だろうから、
 彼女になにがあったかは想像に難くないが、
 あれだけの才女が、男に溺れて、世界中に裸体を晒して、
 消す事ができないデジタルタトゥーなんだぞ。
 たとえネットから削除されても、
 パソコンにダウンロードされたとしたら、
 もうどうしようもないよな。
 そんな事があってな、
 あの時のJが不憫でたまらなくなっちまって、
 涙が止まらなくなったのさ。」
「賢治さん、気持ちは充分わかりますけど、
 もうはるか昔の事よ。
 Jさんの画像をダウンロードした人がいたとしても、
 あの当時のデジカメは今ほど鮮明じゃなかったはずよ。
 もう誰もあの写真なんか残していないわ。
 悪い奴に引っかかったJさんは不運だったけど、
 苦い思い出と現実。しっかり区別しなさい。」
母親のような和子さんの言葉が、〆となった。

一気に大ジョッキを飲み干した御主人様。
何事もなかったかのように、近況報告やら、アホ話やら、、、




私達はまだ『春の陽射し』にはなりきれていないらしい。



           2017年6月10の事でした。
 

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コメント


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Jの真実

過去記事『Jの真実』改めて読ませていただきましたよ。
ときどき過去を振り返ってしまう御主人様は致し方ないと思います。
現実ではしっかりお二人を認めているじゃないですか。
それに、牝奴隷の目の前で嗚咽できるほど、
お二人を信用しているのだと思います。
 

みこ | URL | 2017年06月13日(Tue)15:57 [EDIT]

みこさん、ありがとうございます

ブログ開始直後から、長くお付き合いいただいて、感謝感謝です。
私も『Jの真実』読み返してみました。
稚拙な文章ですが、あの時の衝撃がよみがえってきました。
どの程度の評価をいただいているのかは存じませんが、
現実社会の牝として、私達なりに主を支えていきたいと思います。

ありがとうございました。
じゃぁ、又。        レイ
 

Ray | URL | 2017年06月13日(Tue)19:04 [EDIT]