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御主人様と二匹の奴隷達の物語

レイが綴る牝奴隷ハルとレイの物語、、、、、。ほんの偶然が、私を、、、。

掌編縄雨捕り物控 捕り物其の九の参

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白足袋 お八重


「うちの旦那はね、お八重さんをひっ捕らえようなんて、
 これっぽっちも思っちゃいないのよ。
 けんど、同心の悪い癖でね、動機が分かるまでは、
 なかなか一件落着とはいかないみたいでね。」
「申し訳ありませんでした、、、」
そう言ったきり、お八重は身を硬くし口を閉ざす。

「そう縮こまらずに、あたしとお八重さんだけしかいないんだから、
 さぁ、お茶と甘い団子でも食べて。」
お光は、茶と団子の皿をさしだす。
「えっ、、、、」
お八重は、さしだされたお光の袖口に目をやったまま動かない。
「お光様、、今、腕に見えたそれは、、、、、縄痕、、、、」
「あら、恥ずかしいもの見られちゃいましたねぇ、
 でも、縄痕をすぐに見抜くなんて、お八重さん、
 あなた、縛られたことがあるのね。
 あたしも、、、、、槙次郎様にね。」

しばらくもじもじしていたお八重は、意を決したように、
「あたし、縄で縛られ、鞭打たれると気持ちがいいんです。
 お光様もですか、、、、、」
お光はうなづきながら、先を促す。
「時々開かれる上女中様達の『躾の会』に、
 ある時、お嬢様がおいでになって、
 縛られている下女中達の中からあたしをお選びになり、
 ささら鞭を振るってくださったんです。
 そん時は、恐ろしいのと痛いのとで気を失いましたけんど、
 あとで思いだすと、なんか、縄や鞭が恋しくなって。
 お光様はお分かりになりますか。」
同じ性の癖をもつお八重を、柔らかく見つめるお光。
「お店でお嬢様にお会いすることなどめったになく、
 遠くからお見受けするだけです。
 いつもお嬢様と一緒にいたい、又、鞭打っていただきたい、
 そう願っているうちに、お嬢様の足袋を盗んでしまったんです。
 毎晩、その足袋に踏みつけられる自分を夢想しながら、
 胸に抱いて寝ておりました、、、、
 やがては、お嬢様に気づいていただきたくて、
 又、足袋を盗むようになってしまって、、」
「悲しい牝奴の性ですねぇ。」
「めすやっこ、、、」
「あなたやあたし達をそう呼ぶらしいですよ。」
「お光様、あたしどうしたらいいんでしょう。」
「そうですねぇ、一時の快楽に溺れることなく、
 じっくり考えてみたらどうかしら。
 どうしてもお嬢様についていきたいと思ったら、
 失せ足袋の件を謝って、
 牝奴として飼っていただけるように、お願いしてみたら。
 ご了解いただけるかもしれないし、
 気持ち悪いといってお店を辞めさせられるかも知れないけど。」
「お光様は、どうされたのですか。」
「あたしは、、いつのまにやら、牝奴になってました、、」





「槙次郎様、お光様にはいろいろお世話になりました。
 その後、お嬢様に虐めていただきながら、
 しっかりお仕えいたしております。」
藪入りの前夜、お八重が挨拶にやって来た。

、、白い足袋を履いて。



 ******** この物語 完 ********


 
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ハルさんの感想的あとがき

一見ハッピーエンド的だけど、
ダスティンホフマンの『卒業』のラストみたいだね。
ベンジャミンとエレインのその後に漠とした不安を感じるように、
このお八重だって、どうなることやら、、、
番外編でお八重のその後が知りたくなっちゃったよ。

推理は、まぁこの行数で本格推理は無理だろうから、
初回になにげない謎を、、
ってのが、それらしいといえばそれらしいかなぁ。

あえてSM的場面を書かなかったのは、正解だね。
行間で読者に鞭責めや縄責めを妄想させる策略かぁ。

江戸時代、庶民や身分の低い下女、下女中は、
白足袋なんか履かなかったんじゃないかなぁ。
たとえ履いたとしても、白足袋じゃなく黄ばんだ足袋だと思うよ。



ハルさん、ありがとね。
物語に対する評価は、それなりに良なんだと思うけど、
白足袋に対するツッコミは鋭いなぁ。
考えもしなかったぞぉ。
槙次郎が突きかえした三両で、足袋は何足買えるんだろう。
江戸時代の貨幣価値は変化が激しいけど、
ある物価表に足袋180文と書いてあった。
一両=4000文とすると、三両で67足かぁ。
近江屋に下女、下女中は何人いるのかなぁ、、、、
でもまぁ、やっぱ『白足袋』はそれでいいんじゃない?
だって、タイトルが『黄色足袋 お八重』ではねぇ。


そんなこんなで、お読みいただき、ありがとうございました。
縄雨捕り物控はまだまだ続く予定です。

じゃぁ、又。   レイ
 

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コメント


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おもしろく読ませていただきました。

ハルさんの寸評どおり、お八重さんの将来には不安を感じますね。
わがままで気まぐれなお嬢でしょうから、先々どうなることやら、、
って、次のネタ、確保ですか?
 

zaimu | URL | 2017年11月19日(Sun)13:42 [EDIT]

zaimuさん、ありがとうございます

ハルやzaimuさんがおっしゃるとおり、
ハッピーエンドにしたいと思いながら、あいまいな結論でした。
まぁ、次のネタを確保、というつもりはなかったのですが、
結果的に、スピンオフ的に何か書きたくなりますよねぇ、、、
物語的には悲劇の結末が楽なのでしょうけど、
何とか悲劇の中にも一抹の光明、、、、
わたくし的にはそれがいいんだけど、、、、

ありがとうございました。
じゃぁ、又。       レイ

 

Ray | URL | 2017年11月19日(Sun)19:59 [EDIT]