FC2ブログ

御主人様と二匹の奴隷達の物語

レイが綴る牝奴隷ハルとレイの物語、、、、、。ほんの偶然が、私を、、、。

掌編縄雨捕り物控 捕り物其の十の壱

今日はちょっと寄り道。

「ねぇレイさん、槙次郎って本当に強いの?」
そりゃぁ強いわよ。なんてったって伊崎神道流の免許皆伝よ。
「でもまだ切り合いのシーンって登場してないよね。」
うん、辻斬りで、その寸前まで書いたけど、
槙次郎は刀を抜かないために剣術を修行したって設定なのよ。
「じゃぁさぁ。刀を抜かなけりゃいけなくなるような、
 そんなお話を書いてよ。
 無頼でスケベでサディストの槙次郎じゃなくてさ。」

そんなハルさんの勝手なリクエストに応えるべく、
いろいろ模索してはいたのだけれど、
真剣で渡り合うような物語では、SM譚じゃなくなっちゃう。

それでも、無理やり捻り出して、
今回の縄雨捕り物控ができた。


お暇でしたら、槙次郎の愛と苦悩もどきをお楽しみください。
三話完結です。


************************

綿毛の日 


五間掘りの柳が綿毛を飛ばし、夏が立った。

同心槙次郎、岡っ引き茂蔵、そのほか下っ引き七、八人が
陽も高いうちから居酒屋賢兵衛に繰り出している。
「茂蔵親分、今日は何事ですかな。」
「槙次郎の旦那が手柄をたてましてな。
 ほら例の恵比寿屋殺し三千両強奪の件です。
 奉行様、与力様にお褒めをいただいて、今日はその祝いで。」
「そんな大仰に申すな。
 拙者は下手人の作次に縄をかけただけの事。
 苔石の裏まで探るような地道な探索をした茂蔵達の手柄だ。」
「まぁまぁどちらにしても、それはめでたい事で。
 おい、お礼、お春、酒と肴をどんどん持って来い。」

yukata40.jpg
「親分、作次が捕まっちまって、
 あっしらに累が及ぶことはねぇですか。」
「作次は餓鬼の頃から俺が育てた男だ。
 拷問されても、俺達の事や、金の隠し場所は吐かねぇよ。
 恩を仇で返すようなことはしねぇ。
 たとえ死罪になってもな。」
「作次の弔いかたがた、あの同心に一泡吹かせてやりてぇが、
 相手が同心じゃぁ、なんとも。」
「同心の嫁をかっさらって、作次と同じ拷問にかけてやるか。」
「そいつはいい考えでっせ。辱めて、なぶり殺しにもいいし、
 女郎屋にして売り飛ばしてもいい。」
槙次郎達が居酒屋賢兵衛で盛り上がっている同じころ、
隅田川向こうの在家で、不穏な話がすすんでいた、、、、



「槙次郎殿、どうされました、酒がすすんでおりませんなぁ。」
賢兵衛が徳利を傾けながら槙次郎に話しかける。
「どうにもな、一件落着という気がせんのだ。」
「なにか得のいかない事でも。」
「見つかった金子は千両箱一つ。残りはどこだ。
 作次は、俺一人でやったと言ったっきり、後はだんまり。
 死罪になるぞと脅しても、何もしゃべらねぇ。
 どう見ても作次一人で盗みの策を練るのは無理と思うが。」
「ってぇ事は、裏で糸引く大悪党がいると。」
「なんとかそいつを引きずり出してぇんだがなぁ。」
「槙次郎殿、身辺にお気を付け下され。
 作次の死罪で、恨みを買う事になるやもしれませぬ。」
「それならそれで願ったりよ。
 俺に恨みを晴らそうとしたら返り討ちで大団円、
 そう願いたいもんだ。」



ほろ酔いの足取りで八丁堀役宅に帰った慎二郎、
「おい、お光、今帰ったぞ。」
いつもなら「お役目ご苦労様でした」と三つ指をつくお光。
灯りは点いているが、お光の気配がない。
背筋に悪寒が走り、賢兵衛の言葉を思い出す。
「身辺にお気をつけ下され」、、、、
身辺たぁ俺自身ではなくお光だったかぁ、、、



 ******** つづく ********

 

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する