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御主人様と二匹の奴隷達の物語

レイが綴る牝奴隷ハルとレイの物語、、、、、。ほんの偶然が、私を、、、。

掌編縄雨捕り物控 捕り物其の十の参

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操 


「火急の事ゆえ、同心酒井槙次郎が与力殿に成り代わり、
 恵比寿屋殺し金品強奪を指図した罪、
 さらには婦女子かどわかしの罪により、お縄にいたす。」
吾介の仕舞屋の雨戸を打ち破り、口上を告げる。

素早く部屋を見渡し、敵は五人と確認。
俺一人で充分戦える、、
「茂蔵、お光を。」
全裸で柱に縛られたお光に駆け寄る茂蔵。
それを左目の端で捉えながら、五人の動きを右目で追う槙次郎。
四人の男が刀を抜く。身なりは町人風だが構えは元武士か。
その背後で吾介も匕首を抜いた。
「拙者は、お縄にいたす、と申したはず。
 刀を抜かれては致し方あるまいな。
 今宵の俺の刀は、妙に血を欲しがっておるのよ。」
全裸で震えるお光に羽織りを投げ与え、
伊崎神道流の居合が最初に捕えた男は、
褌の無い股間に一物が揺れている。
つい今しがたまでお光を犯していたに違いない。
返す刀で二人目、三人目、四人目と切り裂いていく。
そして何の躊躇いもなく吾介を袈裟懸けにした。
振り下ろした刀からの血糊が宙に舞う。
「茂蔵、ここの処理、与力殿への注進は任せた。
 俺はお光と須崎の隠居家に行く。」
羽織を肩にかけたお光を抱くように、
闇に消える槙次郎であった。



亡き父母が使っていた須崎の隠居家。
うなされながら眠るお光の傍らで、槙次郎も眠りについた。
明けの光に目覚めると、お光が三つ指で伏している。
「槙次郎様、短い間ではございましたが、お世話になりました。
 郷に帰らせていただきます。」
兄の葬儀の晩であったか、同じ台詞を聞いた気がする。
「なにゆえに郷に帰るのじゃ。」
「おなごなれど、元は武士の妻。
 操を守るためなら、舌を噛み切るべきでありましたが、
 それもできず、無頼の衆に痴態を晒し、
 鞭打たれ、犯されました、、、、
 このままでは、槙次郎様のお名前に傷がつきまするゆえ、、」
「誰に対する操だ。俺に申しておるのか。
 確かに名に傷がつくやもしれんな。
 だがそれは、おめぇの操ってやらではねぇ。
 おなご一人守れなかった俺の不甲斐なさに、って事よ。」
「いえ、あたくしの油断でありました。
 槙様はそのために、抜かずの刀を抜いてしまいました。」
「抜かねばならぬ時に抜いただけの事。 
 もう誰もおめぇの痴態を知っちゃぁいねぇ。
 茂蔵も見たが、まさか茂蔵を切るわけにもいかんだろ。
 おめぇこそ、しばらくは世間の蔑みがあるやもしれんが、
 人の噂も七十五日。
 ここでしばらく養生して、全部忘れろ。」
「ありがとうございます。槙次郎様。こんな汚れたおなごでも、
 これからもお仕えする事をお許しいただけるのですか。」
「さぁな、おめぇは汚れてなんぞいねぇ。
 そんな汚れを知ってる奴はどこにもおらん。」

「ごめんなさいよ。」娘が訪ねてきた。
「おぉ、これは。賢兵衛とこのお礼ではないか。」
「あい、茂蔵親分からこちらでおなごの手が必要だと。
 傷の薬と着物と髪結い道具、お持ちしました。」
「さすがに茂蔵、手落ちはないな。」
手早く湯を沸かし、お光の体をぬぐい薬を塗るお礼。
そういえば俺はお光の体もぬぐってもやらなかったな。
それにしてもこの娘、茂蔵からどこまで話を聞いたものか、
全裸のお光にも、その体中の鞭痕にも、縄痕にも、
何も臆することはない。
たいしたもんだ。おなごとはこういうものなのか、
まさか、縄痕鞭痕を見慣れているというわけでもなかろうが。



お光の養生をお礼に託し、奉行所に出仕する槙次郎。
「証もなく人を殺めて、お咎めがあるやもしれんが、
 あすこの床下から千両箱がきっと出てくるに違いねぇ。」




 ******** この物語 完 ********


 
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なんとか収拾させたいあとがき

「うん、第壱話で話の流れが見えちゃうけど、
 展開が巧みで、なかなか面白かったよ。
 お光の痴態も、槙次郎の剣さばきも、スルッとかわして、
 読者に想像させるってストーリーだね。
 普段は女中だ牝奴だと蔑んでいるようにしながら、
 本当は槙次郎はお光を愛していたんだね。」
過大評価だけど、そう読んでもらえたらうれしいよ。
「さぁ、賢兵衛も、お礼も、お春も登場したんだから、
 縄痕鞭痕を知るお礼、お春がこの後、
 どうやってマゾをさらけ出す事になるのか、
 ますます楽しみになってきたじゃない。」
おいおい、もう次の物語かよぉ。
やっと書き終えたばかりなのに。
「なに言ってるの。作家は締め切りに追われるものなのよ。
 書き終えた時には、次のストーリーが浮かんでなくちゃぁ。」
私、作家じゃないし、締め切りってのもないんだけど、、
「ん~ん、わざとらしさがなく、
 それなりの必然性で、お礼、お春と槙次郎をどうからませるか、
 それともお光と賢兵衛をからませてもいいかなぁ。
 いっそのこと、お光とお礼がレズに目覚めるってのは?」
まぁ、アホっぽいけど、どんどんアイディア出してくれぇ。
何かヒントが見つかるかもしれないからね。
「あぁそうだ、最近登場してないけど、
 人形屋のお輝とお勝はどうすんの?」
いやぁそう来たかぁ。
あれはあれでお終いってわけにはいかんのだろうなぁ。
登場人物が多すぎると収拾がつかなくなるぞぉ。
「いっそのこと、全員集めて牝奴隷オークションでもやる?」

一番収拾がつかないのは、私達のアホ話に違いない。


まぁ、そんなこんなで、
じゃぁ、又。          レイ

 

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コメント


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うん、おもしろかった

もっともっと長編的物語で読みたくなりましたけど、
レイさんはどう思っておいでなのかしら。
槙次郎の必死な姿が見えるようです。
かつてさりげなく五間掘の居酒屋って表現があったけど、
今回は、しっかり居酒屋賢兵衛、お春、お礼、登場ですものね。
ハルさんが言うとおり、槙次郎と賢兵衛のからみ、、
楽しみにしてます。

kaibo | URL | 2018年04月25日(Wed)18:39 [EDIT]

kaiboさん、ありがとうございます

たしかに、おっしゃるとおり、
季節や風物などを書き込んで、長編とは言わないまでも、
30~40枚の中編にしあげたら、
もっと深みが出るに違いないとは思っているのですが、
そんな素材を掌編にまとめるのも腕だぁ、と居直っている次第です。

『人形屋』でもそうでしたが、
何とか居酒屋賢兵衛とのからみをといつも考えていますが、
なかなかSM譚でのからみは難しそうです。
いいアイディアがあったらアドバイスを!!

ありがとうございました。
じゃぁ、又。       レイ
 

Ray | URL | 2018年04月26日(Thu)18:15 [EDIT]