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御主人様と二匹の奴隷達の物語

レイが綴る牝奴隷ハルとレイの物語、、、、、。ほんの偶然が、私を、、、。

掌編江戸妄想捕り物控 その壱

ブログが一段落したので、又ちょっと寄り道、、、

居酒屋賢兵衛の物語を、もっと書きたくてウズウズしていた時、
年末に、『女囚縛り』の御調教をいただいた。
家に戻ってパソコンに向かった途端、
あぁ、これ、物語になる、、そんな閃きがあった。

例によって例の如く、江戸風俗や時代考証は、勝手な決めつけだ。
それでもあの時代、貧富の格差はもちろん今以上だったろうし、
貧と富とが直接交わる事も少なかっただろう。

前回は、賢兵衛、お礼、お春を綴った。
今回の主人公は、岡っ引茂蔵、、、

まぁ、よろしかったら、
前回の掌編江戸妄想譚 壱~五を読んでから、
これを読んでいただけると嬉しい。
今回の物語の底には、前回の物語が流れていて、、、
、、そんな連作掌編のつもりであります。




はてさて、どんな事になりますことやら、、
ご用とお急ぎでない皆様、しばしのお時間を、、。

全四話、完結であります。

 
************************

岡っ引茂蔵


岡っ引の茂蔵は、居酒屋賢兵衛を贔屓にしている。
酒と肴がうまいのは無論だが、
一人、徳利を傾けているだけで、酔客の噂話が耳に飛び込んでくる。
そのほとんどは、愚にもつかない事ではあるけれど、
なかには、『ここだけの話だがなぁ、、』
などという、裏話も自然と聞こえてきて、
下手人探索の糸口を見つけた事もある。
「火のねぇ所に煙はたたねぇ、、」茂蔵の、いつもの口癖だ。

主人の賢兵衛、娘のお礼、女中のお春、、、
この三人をなんとか下っ引として使いたいもんだと、茂蔵は思う。
いや、町中を走り回る必要はねぇ。
ここで耳にした噂話を教えてくれるだけでいい、、

賢兵衛に水を向けた事がある。
「居酒屋の亭主なんざぁ、見ざる聞かざる言わざる、ってもんで。」
と、素気無い返答だった。

それでも、昨年正月の『殺し』の時、
「まぁ、なんとなく耳にへぇったんですがね、、、」
なんぞと、あらぬ方を見ながらつぶやいた賢兵衛の言葉で、
一気に件の本筋が見えて以来、
茂蔵は、行き詰ると、この居酒屋でさりげなく愚痴る事にしている。



今晩も、旬の物を肴にお礼に酌してもらいながら、
茂蔵は賢兵衛に愚痴っている。

「昨日、ここから二町程先の堀に、
 土左衛門があがったのを知ってるか?
 与力、同心さん方は、身投げで片付けたい腹らしいんだが、。」
「あっしは物見には行きませんでしたけど、話は聞きました。
 若い娘だそうで、、。
 親分、何か腑に落ちないことでも?」
「検分したらよ、娘の体には縄痕が残っていてなぁ、、
 足抜けしようとして、捕まって、
 焼きを入れられた後に殺されたか、
 途中で逃げ出して、水に飛び込んだか、、、
 そんな気がしてならねぇのさ。
 それになぁ、あの縄痕、、、、
 俺が知ってる捕縛の縄とは、形が違っててな。」
「ほう、、、どんなふうに違うんですかい?」
「手首と二の腕と、、、それに乳の上と下に、、縄痕、、、。」
おもわず発した言葉、、後手高手小手、、、、
傍で話を聞いていたお礼が、
「ごてたかてこて、、、、、」
と、思わず、のように、つぶやいた、、、、
「お礼ちゃん、ごてたかてこて、たぁなんだ?」
「こら、お礼、盗み聞きするんじゃぁねぇ、あっちに行け。」


お礼を追いやると、賢兵衛は、じっと茂蔵をみつめる。
「親分、娘は身投げだった、って事では、いけませんか?」
「いや、身投げなら身投げでいいが、
 俺が、てめぇで納得する必要はある。
 後になって、あれは殺しだった、では気が済まねぇからな。」

賢兵衛は、すぅぅっと息を吸い込んで、
まるで、いやいやするように、その息を吐き出した、、、

「親分、職はもちろん命さえも賭ける事になるかも知れやせんぜ。」

その言葉の意味をはかるように、茂蔵も賢兵衛をみつめ返す。



居酒屋の喧騒の中、二人の視線が静かに交差した、、、。



 ******** つづく ********

 

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コメント


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待ってました、江戸物

レイさんが、
>居酒屋賢兵衛の物語を、もっと書きたくて、、、
とおっしゃるのと同じように私も、もっともっと読みたくて、、
でした。
今週の楽しみが増えましたよ。
期待しています。
 

kaibo | URL | 2013年01月20日(Sun)15:46 [EDIT]

モデル

茂蔵さんのモデルになった人って、誰なんだろ…
この後の展開も気になります(^。^;)

玉露 | URL | 2013年01月21日(Mon)19:11 [EDIT]

kaiboさん、ありがとうございます

前回も最初のコメントがkaiboさんでしたね。
感謝感謝です。
おっしゃるように、ある意味思い入れがあるのですが、それが強すぎて、
しょせん自己満足で、誰にも受け入れられなかったら、、、
なんて不安を、ちょっと抱えてしまうこともあるのですよ。
お楽しみいただけたら、幸いです。

ありがとうございました。
じゃぁ、又。       レイ
  

Ray | URL | 2013年01月21日(Mon)19:26 [EDIT]

玉露様、ありがとうございます

前書きにも書きましたように、年末御調教「女囚縛り」からの発想です。
では、女囚縛りをするのは誰?
いろいろ職種はあったのでしょうが、岡っ引しか思いつきませんでした。
そんなこんなで、せっかくですが、モデルはありません。

洋酒党の玉露様が、今週も日本酒で過ごされる事を、
密かに期待させていただいております。

ありがとうございました。
又、遊びに来てください。    レイ
 

Ray | URL | 2013年01月21日(Mon)19:50 [EDIT]