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御主人様と二匹の奴隷達の物語

レイが綴る牝奴隷ハルとレイの物語、、、、、。ほんの偶然が、私を、、、。

掌編江戸妄想捕り物控 その四

 
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火のないところに


「親分、上総屋に盗人があったってねぇ?」

今夜の茂蔵は、荒れている。
次々と猪口を重ねながら、賢兵衛に答えた。

「おぉ、そうらしいなぁ。
 聞いた噂では、何も盗らなかったけんど、
 そこにいた娘達が、盗人と一緒に消えたらしい。」
「その娘達は、どうなったんでしょうねぇ?」
「これも聞いた話だけんど、
 しっかり、在に帰ったらしいぞ。」
「それはそれは、よござんした。」
「おぉ、盗人も初めての荒仕事で、苦労したかもしれんなぁ。」
「、、ご無事で何よりでした、、、、」

賢兵衛は、茂蔵に酒を注ぐ。
すぐさま、その猪口を干して、茂蔵が続ける、、
縄を、、、忘れられない、、、、
「ところがな、、、、
 そのなかの娘の一人が、又、江戸に舞い戻った、という噂だ。
 縄が、、忘れられない、、と言ってな、、、、。」
「それはそれは、、、、、娘の自分の意思とはいえ、、、
 被虐の質を持ち合わせてたんでしょうかねぇ。
 上総屋に責任を取らせるって訳には?」
「上総屋はだめだ。
 ただの遊びで、娘の面倒を見る気はなかろうよ。
 罪を全部、口入れ屋におっかぶせて、知らんぷりだ。
 お上のお咎めも、人さらいの口入れ屋だけだ。
 あの死んだ娘の件も、結局『身投げ』で、けりがつきそうだ。
 その原因が上総屋の辱めにあったとしてもだ、、、。
 俺はそれが気に入らん。
 おい、お礼、この店の酒、全部持って来い。」

「あらあら親分さん、今晩はお酒、すぎてますよ。
 もうお店、仕舞いますから、又、明日おいで下さい。」



茂蔵を送り出したお礼、片手を差し出しながら、
「賢様、雨です、、、。
 娘さん達の羞恥の涙? それとも親分さんの悔し涙かしら。」

隣でお春が、降りだした夜空を見上げて言った。
「江戸に戻った娘さん、
 素敵な御主人様とめぐり合えるといいですねぇ。
 あたし、、、みたいに、、、、、、」










かかぁの仕立物の中から頼み込んで、
女物の足袋を二足、懐に入れた。
「いや、浮気じゃぁねぇ、世話になったんで、その土産だ。」


足袋を懐に、居酒屋賢兵衛の前で、茂蔵が歯噛みしている。
「ちぇ、なんでぇ今日は休みけぇ。」

ここんところ、雨が少なくて忘れていた。
居酒屋賢兵衛は、雨、風の日は、なぜか、休みだ。

茂蔵は、雨空を見上げながら、ふと、お礼の言葉を思い出した。

「後手高手小手縛り、、、、、
 お礼、、おめぇ、なんでそんな事を知ってるんだ?
 ただの居酒屋の娘の耳年増、、、なんかぁ?
 、、、、、
 火のねぇ所に煙はたたねぇ、、、、、」

茂蔵は、思わず、そうつぶやいた。







居酒屋賢兵衛、、、、、
店の軒下では『今日休』の木札が雨に濡れている、、、



 
 ******** 完 ********

 
*****************************

あとがき的無駄話


いつもの事ながら、
ブログの検閲官であるハルさんに、この下書きを見せた。

「だめ、なっちゃいないわ。」、との酷評だった。

どこが?

「物語としては、おもしろい。
 あからさまのSMじゃないところに、情緒すら感じる。
 でもね、お春に一言の台詞もない。
 なにか私にもしゃべらせてよ。」
いや、今回の主人公は、茂蔵だから、、、、
「だめ、私にもなんか言わせて。」
いやぁ、それに、お春はハルさんじゃないしぃ、、、、。

しかたがない、、最終話に、お春の言葉を差し込んだ。

これでどう?
「うん、まぁ、、いい。
 M女を思いやる私の優しさがでてるわ。」
ちゃう、お春はハルさんじゃないって、言ってるだろがぁ。



「レイさん、もう次の江戸物語、考えてる?」
まっさかぁ、、今やっと書き終えたばかりだよ。
次の物語なんて全然よぉ。

「だったらさ、次の物語では私を活躍させてよ、ね。」

オイオイ、だからぁ、何度も言わせるな。
お春はお春であって、ハルさんじゃぁねぇ、、、、。




そんなこんなで、、、
次はどうなりますことやら、、
いえいえ、、次がありますことやらどうやら、、、、、、、



じゃぁ、又。        レイ
 

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コメント


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今回も

最終話を読むまで、ひたすらコメントを我慢しておりました。
おもしろかったぁ、、、。

それぞれの短編タイトルが、全て第壱話にでてきた言葉で、
しっかりした構想で書き上げたらしいと、想像しました。
それに加えて、茂蔵の口癖を、さりげなく『結び』に使うなんて、
やっぱりレイさん、お洒落で素敵。
ハルさんの言葉どおり、背後に流れるSMを感じながら、
しっぽり、楽しませていただきました。

次は、『お春捕り物帳』?
 

あつこ | URL | 2013年01月23日(Wed)07:41 [EDIT]

因みに、

お礼も、れいさんじゃ無いかな。やっと終わりました?ご苦労流して観てました。

茶 | URL | 2013年01月23日(Wed)07:50 [EDIT]

ご無沙汰いたしておりました

コメントがご無沙汰だっただけで、毎回しっかり読ませていただいてますよ。
生活ネタ、御調教ネタ、短歌、そして掌編、、
いつもいつも、レイさんの細やかな視点と、お洒落な表現力、その構成力に
感服しながら、憧れにも似た想いで、読んでいます。
なにぶん私、文章が下手なものですから。

初めてのコメントの時に告白させていただいたあの件は、
いまだに実現しておりません。
機会がないのか、私の勇気が足りないのか、、。
それに、こんな素敵なブログを読んでいると、理想が高くなっちゃって。

「掌編江戸の風」シリーズ、もっともっと読みたいです。
股間ジワってしながら、心はホッコリ、、、、
いいなぁ、、、、。
賢兵衛様、
次回はもっともっとお礼さんとお春さんを『いぢめて』ください。
って、私もハルさん同様、物語に入り込んじゃっています。
 

明奈 | URL | 2013年01月23日(Wed)12:57 [EDIT]

レイさん こんにちは(^^)

レイさんの時代物、めちゃ好きですぅ~。

また書いて下さいね!

楽しみにしています。

それにしても居酒屋『賢兵衛』行ってみたいわぁ♪

NamiNami | URL | 2013年01月23日(Wed)18:50 [EDIT]

公約

前回の公約どおり、情緒たっぷりなしっぽりSMブログ、、、
ジワッとしながら、じっくり読ませていただきました。
凄い凄い、おもしろいおもしろい♪♪
いいなぁ、、、。
このシリーズ、ブログの段落毎なんですよね、、、。
んーん、次が待遠しい、、、
 
 

kaibo | URL | 2013年01月23日(Wed)19:21 [EDIT]

あつこさん、ありがとうございます

けっして
>しっかりした構想で、、
ではありませんが、『火のないところに、、』は
結びで使いたいと、密かに計画しておりました。
いつもながら、過大評価をいただいておりますが、
それなりにお楽しみいただけたなら、それに勝る喜びはありません。
ありがとうございました。
じゃぁ、又。         レイ 
 

Ray | URL | 2013年01月23日(Wed)20:09 [EDIT]

茶さん

確かに、ハルのみならず私自身も物語にのめりこんでおります。
お礼はお礼であって、レイじゃぁねぇ、、、、って程に、、。
じゃぁ。      レイ
 

Ray | URL | 2013年01月23日(Wed)20:14 [EDIT]

明奈さん、お久しぶりです

>あの件、、、
は、それぞれにいろいろな出会いもあるのでしょうから、
焦らずに、でも躊躇することなく、、そんなご助言しか出来ません。

「掌編江戸の風」シリーズは、いつか区切りを、、なんて思っています。
何が区切りか、どうやって区切りか、、、、よくは分かりませんが、
もう少しだけ書いてみたというのが、今の私の想いです。

ありがとうございました。
じゃぁ、又。        レイ
 

Ray | URL | 2013年01月23日(Wed)20:23 [EDIT]

NamiNamiさん、ありがとうございます

私なりに思い入れはあるのですが、
なかなか普段のブログ的に軽く綴れませんので、
『江戸時代物語』のお約束は難しいです。
まぁ、何らかのヒラメキがありましたなら、次回作も、、でしょうか、、、。

居酒屋賢兵衛は、スカイツリー観光の片手間に、
どうかお立ち寄りいただけますように、、、
五間掘り脇にて、お待ち申し上げております。

ありがとうございました。
じゃぁ、又。       レイ
 

Ray | URL | 2013年01月23日(Wed)20:32 [EDIT]

kaiboさん、ありがとうございます

今回は、過激なSM表現を控えて、『癒し』的を目指しました。
それなりに、ジワッ、、ホッコリ、、でしたならば、
それこそが、筆者の喜びであります。
シリーズの続きですかぁ、、、、、
どこかで一段落させないと、、、
そう想いながら、その落とし先を模索している今の私です。

ありがとうございました。
じゃぁ、又。        レイ
 

Ray | URL | 2013年01月23日(Wed)20:42 [EDIT]

シリーズ

どんどん増える事を願ってますが、次回はハルさんが書くってのは どうです?
もちろん鬼の検閲官はレイさんで(笑)

このシリーズは、日本酒が合いますな(*^o^*)

玉露 | URL | 2013年01月23日(Wed)22:54 [EDIT]

玉露様、ありがとうございます

>次回はハルさんが書くってのは 、、、
ハルはそれなりに素敵な文章を書きます。
でもはっきり言って、心情表現が多すぎて、同居している私でも、
その内容を理解するのに時間がかかります。
それはそれで、不思議な世界を形づくるのでしょうが、、、、、。

居酒屋賢兵衛のシリーズはどこかで区切りを、、なんて思っています。
居酒屋賢兵衛をからめながら、別のしっかりした主人公が欲しいなぁ、、、。

ありがとうございました。
又、遊びに来てください。     レイ
 

Ray | URL | 2013年01月24日(Thu)19:03 [EDIT]

初めまして

今回、前回の『江戸物語』読ませていただいて、
そのおもしろさから、普段はどんな事をお書きなの?
なんて、あちこち拾い読みしているうちに、
ついつい、初めから全部読破してしまいました。
疲れたけど、充実感みたいなものまで感じています。
レイさんハルさんの人間的な成長も読み取れるし、
私には想像もできませんが、奴隷さんとしても成長なさっているようだし、
レイさんの構成力や文体も進歩なさっていますね。
ほんの偶然でしたけれど、このブログに出会えたことを嬉しく思いますし、
アダルトにも、こんなお洒落なブログがあるんだと感心しています。
これからも応援しております。
素敵な『御主人様と二匹の奴隷達』、ブログも実生活もがんばってください。
 

仮名(かりな) | URL | 2013年01月25日(Fri)14:03 [EDIT]

仮名さん、初めまして

そして素敵なHNにちょっと微笑んでおります。
今日でNo.946ですから、読破にひたすら感謝感謝です。
最近とんでもない過去記事に拍手をいただいたりして、、
もしや、仮名さんだったのでしょうか、、、。

人間的にも牝奴隷的にも、主の影響を受けている私です。
どんな成長なのかは、自分では分かりませんし、
牝奴としては最近、馴れ合い的面も増えてきたのかなぁ、、?
文章は、確実に過去とは違っていると思っています。
こなれてきたのか、慣れで誠実さをなくしているのか、、。

異質のアダルトとして、これからも応援よろしくお願いいたします。
機会があったら、仮名さんご自身の事も教えてくださいね。

ありがとうございました。
じゃぁ、又。         レイ
 

Ray | URL | 2013年01月25日(Fri)20:30 [EDIT]

春さんへ

春さんの就職先はもう決まった?国立印刷局とかいい気がします。ずっと考えてました。よろしく

茶 | URL | 2013年01月26日(Sat)08:22 [EDIT]

茶さん

おいおい、何をいまさら。
過去記事にも書きましたように、
ハルは、たくさんの企業から入社を請われて、
そこから逆指名して就職先を決めました。
それほどの、業界の実力者なのであります。
詳しくは語れませんけれど、、、。
じゃぁ、      レイ 
 

Ray | URL | 2013年01月26日(Sat)18:37 [EDIT]

今回は大作でしたね。

SMって私には近代的なイメージがあって、江戸を舞台にすることもできるんですね。

そもそも時代劇とエッチな作品は別ジャンルと思っていたので、髷を結って着物を着た人たちがエッチな演技をするというのは、私にとっては斬新でした。

時代劇で巨乳の女性とか出て来たかしらとか思ってしまいます。私も端役くらいいただけないかしらと思ったけど、難しそうですね。

レイさんとハルさんの関係とは少し違うけど、私も義姉妹仲良く頑張ります。義妹から受けた評価が、レイさんからの評価になるように…

佐知子 | URL | 2013年01月27日(Sun)19:27 [EDIT]

佐知子さん、ありがとうございます

まぁ、しょせん妄想ではありますが、
あの時代にもきっとSM的生業があったに違いないと、、、。

佐知子さんの周りの皆様も、
素敵な素敵な「仲良し」で、、、、、
それぞれの皆様の思惑で、どんな展開になることやら、
密かに見つめさせていただきます、、、、、

ありがとうございました。
じゃぁ、又。       レイ
 

Ray | URL | 2013年01月28日(Mon)19:15 [EDIT]